Nikon D850は欠点なく完成されたデジタル一眼レフカメラ。高画素機は弱点があり高価格であるという常識を、高機能性を備え見事に打ち破っている。
2017年9月8日、高機能・高画素なデジタル一眼レフカメラ「Nikon D850」が発売されました。8月24日の正式発表の時点ですでに予約殺到で供給不足という人気機種でした。私はしばらくしてから購入を検討するつもりでしたが、まずは触れてみたいと思い家電量販店等に見に行きました。
どこも予約販売のみとなっており「これ今日は手に入らないんですよね?」と店員に聞くと「そうですね」との事でした。購入できないのを確認後、お店から出る所「お客様、ただいまキャンセルが出まして一台ご用意できます!」と背中から声をかけられました。
「予約殺到・供給不足・人気機種」の状況下で突如購入可能になった為、購入しないと損な様な気持ちになり、結局2017年9月9日「Nikon D850」を購入しました。また、これを機に内臓フラッシュがない為、ワイヤレスリモートコントローラーセット「WR-10」、スピードライト「SB-5000」も購入しました。
3.2型RGB・約236万ドットのチルト式モニター
Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
「3.2型RGBW・約122.9万ドットのD750・D810との違いは一目瞭然」
3.2型RGB・約236万ドットのチルト式モニターは本当に見やすく感動しました。この時に使っていた「Nikon D750」もチルト式モニターでしたが、3.2型RGBW・約122.9万ドットとなっており、いざ比較してみるとコントラストの低さや解像感の違いは一目瞭然でした。
RGBWとは、ソニーが開発した液晶モジュール「WhiteMagic」における画素の構成で、RGBにW(白)の画素を加算。これにより画面の明るさが増し、従来と同程度の明るさで消費電力を大幅に抑え、従来と同程度の消費電力で輝度を高めるといった効果を実現しています。ですが白っぽくコントラストが低いです。
また「Nikon D5500」には付いており「Nikon D750」には付いていなかったタッチパネル対応も地味に嬉しい機能でした。無くても困りませんが、あるに越した事はありません。これより前に発売されていた高画素機「Nikon D810」は3.2型RGBW・約122.9万ドットで、かつタッチパネルにも非対応です。そして何より固定式なので不便です。
このブログを書いている現在は手元に「Nikon Z6・Z7」もありますが、液晶に関しては「Nikon D850」の方が見やすいです。「Nikon Z6・Z7」は約210万ドットと少し見劣りします。
強い高感度耐性で高精細な画質
Nikon D850 AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
「高感度耐性・手振れの心配無用。データサイズは環境次第。」
高感度耐性も有効画素数4575万画素としては強く手振れもニコンデジタル一眼レフカメラで初となる、シャッターカウンターバランサーを搭載している為か気になりませんでした。データサイズは約50MBと「Nikon D750」より約20MB多くなり、PCのスペックや現像ソフト次第では厳しい局面もあるかもしれません。
高感度耐性が高画素機としては強いのは、裏面照射型CMOSセンサーの恩恵です。裏面照射型CMOSセンサーは従来型CMOSセンサーと違い、配線層とフォトダイオードの位置が逆になっています。位置関係を逆にする事で光を効率良く取り込み、高感度耐性が強くダイナミックレンジの広い撮影が可能になりました。
実際、これより前に発売されていた有効画素数3635万画素の高画素機「Nikon D810」では測距輝度範囲EV-2~+19EVであったのに対し「Nikon D850」では更に高画素であるにも関わらず測距輝度範囲中央1点 EV-4・その他 EV-3と強くなっています。
手振れについてはシャッターカウンターバランサーを搭載している為か、気にしなくても大丈夫ですが、データサイズによるRAW現像時の処理速度や遅延などについては少し注意が必要でした。
私がこの時に使用していたPCはCPU換装は行っていましたが初代MacPro2006年モデルで、現像には純正の「Capture NX-D」を使用していました。50枚以下のRAW現像だとそこまで気にはならなかったのですが、100枚を超えてくるとピントの確認やファイルのスクロールだけで10秒以上待つ、もしくはフリーズするような状態でした。
これを機に「Capture One」へと移行しましたが、さすが最速・最強を謳うRAW現像・テザー撮影対応ソフトウェアです。10年以上前のPCでも高速に処理が行えました。シャドーやハイライト等のパラメータの調整も一瞬で処理が行え、解像感も素晴らしいです。
凝縮された高機能性
Nikon Z6 AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED
「今ある技術を全てを備えた、ドリームカメラ。」
この時にニコンが持っていた技術は全て備えている一眼レフカメラで、書くのが疲れる程に機能が盛り込まれています。
サブセレクターの搭載、カメラ左下にFn2ボタン追加、ボタンイルミネーション機能搭載、利便性高いISOボタンとMODEボタンの配置、18万画素RGB測光センサー露出制御、測距点153点クロス測距点99点の露出制御。
ピンポイントAF・フォーカスピーキング、約7コマ/秒(最高約9コマ/秒)、電子シャッター対応、電波制御アドバンストワイヤレスライティング、MP4・AAC対応全画素読出4K UHD 30pFHD 120p4Kタイムラプス、ネガフィルムデジタイズ等。
2020年現在では少し古いですがXQD、UHS-II SDカード対応のメモリーカードダブルスロットも備えています。
これを書いている現在では当たり前な機能もありますが、これらを全て凝縮し平均価格37万円・最安値35万円で登場しました。「35万円なんて安すぎる!」「これはバーゲンプライスだ!」とネット上でも賑やかになりました。
最後に
Nikon D750 TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD (Model F012)
ネット上でも賑やになり予約殺到で供給不足という人気機種であった「Nikon D850」。運が良いのか悪いのか発売日翌日には手に入れてしまいました。
高額な衝動買いのおかげで財布は冷え込みましたが、この機種を手にしたおかげで私が個人的に得たものは「高画素機のレタッチ耐性の高さの実感」そして内臓フラッシュが失われた事による「電波制御によるストロボを使用したライティング」が大きかったです。
新品価格 |
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